*プロフィール* minase369
徒然日記
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【レプリカの夢18】
2010年07月09日 (金)
毎日蒸し暑いですね。
…眠くて眠くてたまりません。パソ前に30分くらいでうつらうつらしてしまう為、遅々として作業が進まない状態です。やっと涼しくてパソしやすい時間帯になると、パタンキューってなにそれッ! 年々体力なくなっていく…脂肪は増えてるのに(苦)。
レプリカ、そろそろ纏めてサイトに上げておかないと。裏はやっぱり日記じゃなくて直接裏に置いた方が良いんだろうなあ…(←作業面倒くさいらしい)。


【レプリカの夢18】
 突然ドーンと大きな音がして、湖の上に花火が上がった。
「う、わ……ッ!」
 腹に響く音と夜空いっぱいに広がる大輪の花の鮮やかさにハボックは目を瞠る。
「…すげえ」
 ジャンはポップコーンを頬張るのも忘れて大口を開けて紺青の空を見上げた。周りの観光客も皆一斉に頭上を振り仰ぐ ─── 商売に忙しい筈の出店の主ですら、一瞬手を止めて花火を見上げていた。
「さすがにこれだけ近いと迫力があるな」
 カヴァナ湖の上空に向けて打ち出された花火玉は、湖の丁度中ほどで色とりどりの光の花となって開き、ぱらぱらと光の粒を散らしながら湖面に舞い落ちていく。花火の開いた瞬間、鏡のように澄んだ湖面にその光が反射して、まるで空と水中と両方に花火が咲いたように見えた。
「綺麗ッスね…この花火だけでも、観に来た甲斐がありますよ」
「セントラルで行われる花火大会に比べれば、規模自体は大きく無いのだがな……その分かぶりつきの特等席で観れるのがここの魅力だ」
「そッスねえ……それにこの音と振動もたまんねえッス」
 打ち上げ場所が遠い場合は夜空に光の花が艶やかに咲いた後、一瞬遅れてドーンと音がするものだが ─── カヴァナ湖に上がる花火は、光と音が同時に届く。しかも腹の底に響くような独特の振動があった。
「写真撮ってよ、ハボ!」
 露店で買った使い捨てカメラを手に、ジャンが空を指差す。ハボックは苦笑してカメラを受け取った。
「いいけど、花火は多分撮れないぜ? 撮れたとしても、ピンボケのへろへろだと思うがな」
「えー? 何でッ?!」
「花火は難しいんだよ。特にこんな使い捨てじゃ」
「ちぇッ。じゃあ買ってくるんじゃなかった」
 頬を膨らませて露店の主を睨むレプリカに、ハボックはやれやれと肩を竦める。
「そう拗ねるな、ジャン。花火じゃなくて自分達を撮ればいいだろう?」
 ロイの言葉にジャンの表情がぱあっと明るくなった。彼はハボックからカメラを取り戻すと、それを店の主に突き付ける。
「撮って。それでチャラにするから!」
「はぁ?」
 男は困ったように手渡されたカメラとレプリカを交互に見遣った。
「頼むよ」
 ロイは小さく笑いながら男に目配せする。
「…いいですけど…」
 よく似た金髪の青年二人を連れた観光客に、露店の主はちょっと目を瞠って腰を上げた。確かに被写体としては悪くない。
「もう少しくっつかないとフレームに収まらないな」
 使い捨てカメラのフラッシュでは、本当に至近距離しか綺麗に写らない。3人をフレームに収めるなら、なるべく密着していた方がよかった。
「こうか?」
 ロイはジャンとハボックを両腕に抱き寄せた。密着する身体にジャンは嬉しそうにロイの腰に腕を回し、逆にハボックは照れくさそうに身を縮めた。そっくりな二人の正反対の反応に、ロイの表情がほわりと柔らぐ。
「じゃ、写しますね ─── 」
 パシャパシャとシャッターを切る音に被さるように大きな音が湖に響いて、寄り添う三人の頭上にひと際大きな光の花が咲いた。

【レプリカの夢17】
2010年07月01日 (木)
おはようございます。
4時半過ぎました……外が白んできた。相変わらずじめじめとした梅雨空ですっきりしませんが、その分気温は低いです。しかし一日で一番涼しい時間帯なのに、部屋の中がパソの排気熱で蒸し暑いってどういう事…っ?! うーん、うちのパソ、いい加減買い替え時なんだろうなあと思いつつ、壊れないと新しいの買えない性格なのが悲しい。そろそろまた本体開いて、埃取りの掃除でもしようっと。

テキストちまちま書いてます。更新が日記のレプリカだけという亀ペースで申し訳ありません。
……あ、カーテン開けたら涼しい…つーか、寒いほどの風が。気持ちいい〜。


【レプリカの夢17】
「両手に花だな」
 同じ姿の二人を両手に抱き留めて、ロイは楽しげに笑う。
「何言ってんスか」
 ハボックはウォッシュ加工したブラックジーンズの上下に黒いTシャツで、ジャンの方は同じようにハボックのGパンを穿いていても明るい色のパーカーを羽織っているせいで随分と印象が違って見えた。そっくりな二人だったが、双子というよりは年子の兄弟のようだ。
「今夜はカヴァナ湖で花火があるから、たくさん露店が出ている筈だ。折角だから夕食は外で済ませないか?」
「花火?!」
「いッスね。お祭りに色んなものちょっとずつ摘んで食べ歩くのって、何か楽しいんですよねえ。あ、でも大佐はそんなジャンクフード食わねえか…」
「おいおい、私だけ除け者にするつもりか? ハボック」
「や、そんな意味じゃ……」
「じゃ、決まり! 早く行こ、大佐!」
 ぴょんぴょんと跳ね回る勢いで先を行くジャンに急かされ、ハボックとロイは顔を見合わせて笑い合った。
「…楽しそうっすね、あいつ」
「ああ」
 金髪のレプリカは湖の畔にずらりと並んだ露店を片端から覗いている所だった。彼はケチャップとマスタードをたっぷりと塗った大きなフランクソーセージの串とジェラートのコーンを片手にひとつずつ持って、更に隣りのクレープ屋で苺とバナナのクレープを注文している。三個もどうやって持つつもりなのかと思案している間に、あっという間にジェラートがその胃袋に消えた ─── どうやら余計な心配だったらしい。
「大佐、苺カスタードとバナナチョコ、どっちがいいッスか?」
 甘く香ばしいクレープの香りに顔を上げると、ジャンが両手に一個ずつ包みを持ってにこにこ笑っていた。
「…苺かな。」
「じゃ、これ! ハボはバナナで!」
「ああ」
「サンキュ」
 礼を言う間もなく、彼はまた人混みを掻き分けて露店に突撃していく。まだまだ食い足りないらしい。
「……ガキみてえ」
「好きにさせておけ。どれもジャンには初めての経験ばかりだから、面白くて仕方がないんだろう。今までずっと家の中に閉じ篭りっきりだったしな」
 考えてみれば、目覚めて以来ジャンはずっとマスタング邸の中だけで過ごしてきたのだ。ロイとハボック以外の他人と接する機会も全く無かった ─── これではしゃぐなという方が無理だろう。
「連れてきてくださって、ありがとうございます」
「気にするな。ちゃんと私も楽しんでいる」
 本当なら今の時期は猫の手も借りたいほどに忙しい筈の上官が、こうして短いとは言え休暇を取って旅行に連れ出してくれた事に今更ながら感謝する。司令部に戻れば、おそらく寝る間もないほど溜まった仕事に忙殺される日々が待っているのだろう。だが今は、束の間の休暇を精一杯楽しみたかった。

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